ドライクリーニングが生まれた背景
日本の着物と言えば生地を直線に切り取り平面で縫い合わせていますが、ヨーロッパの衣服は曲線を用いて裁断された生地を様々な技法によって立体的に作られてきました。
それゆえに、衣服のお手入れをする事はとても大変だったようです。
洗濯をするなら水洗いですので型崩れも起こしやすかったでしょうし、色落ちもするでしょう。
一旦全てを解いてから洗い、染め直してまた仕立てると言う風にしていたとも思われます。
いずれにしても、かなり手間のかかる仕事ですね。
ドライクリーニングが生まれた19世紀当時のヨーロッパでは衣服のデザインは元より素材に対してもより繊細になってきました。
型崩れや色落ちのトラブルを最小限に防ぎ、汚れを落とすドライクリーニングという新しい洗浄方法は正に待ち望まれていた技法だったのです。
急速に広まっていったという事も理解できますね。
現代におけるファッションメンテナンスに対しても、その意味合いは全く変わりありません。
多様化するファッション衣類を型崩れや色落ちなどのトラブルを防ぎつつ汚れを落とす事が出来て、しかも安価である事。
昨今、デリケート衣類の水洗いが取り上げられていますが、デリケート衣類の水洗いに対する料金はかなりの高額になります。
それに比べ、ドライクリーニングという洗浄方法はコストパフォーマンスに優れます。
”たかがドライクリーニング”と埋もれさせておくには本当にもったいない洗浄方法です。
また、ドライクリーニングに対する誤解から家庭洗濯をされている方も多いのではないでしょうか。
日常着用する普段着のお手入れにも、ドライクリーニングは有効なクリーニング方法の一つです。
品質の確かなドライクリーニングをご利用頂ければと願っています。
本当のドライクリーニングを知って頂く為に、私たち大阪府クリーニング組合青年部は活動しています。
参考文献
クリーニングの理論と実際 毛利春雄 著
アメリカ服飾社会史 濱田雅子 著
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