自分で出来るソープ濃度測定方法(エプトン法)です。

 

 

【 用意するもの 】

○ 混合用ビン (ふたがあり、50~70ml程度の容量があるもの)

○ 自店使用溶剤 (ドライ機ベースタンクからドラム内に汲み上げた溶剤

○ 試薬 (アニオンソープの濃度を測る場合はカチオン試薬、カチオンソープの濃度を測る場合はアニオン試薬)

○ メチレンブルー

○ クロロホルム

○ 注射器 (1ml、5ml)

 

○ ソープ濃度測定係数、もしくはソープ濃度測定検量線 (ソープメーカーに問い合わせて手に入れる)

 

※ 混合用ビン、注射器は東急ハンズやコーナンプロなどで購入出来ます。

※ 試薬、メチレンブルーはソープメーカーや資材商から手に入ります。

※ クロロホルムは資材商より購入出来ます。

※ ソープメーカーによってはソープ濃度測定係数ではなく、ソープ濃度測定検量線(グラフ)で測る所もあります。

 

※ ソープメーカーに問い合わせる場合は、使用されているソープの品名をお伝え下さい。

 

 

【 濃度測定方法(アニオンソープの場合) 】

(各薬剤の容量はソープメーカーによって違いますので、問い合わせて教えてもらって下さい)

 

① 混合用ビンに 「 自店使用溶剤 」 を入れます。

 

② そこに 「 クロロホルム 」 「 メチレンブルー 」 を加えます。

試薬(カチオン試薬)は、予め注射器で1mlを測って用意しておきます。

 

③ 注射器の試薬を0.1mlずつ加え、ふたを閉めよく攪拌します。

試薬が足りない場合は液が2層に分かれ、その下層が濃く見えます。

 

④ 上下層の色の差がなくなる(中和される)まで、試薬を滴下していきます。

この状態になるまでの試薬の加えた量を覚えておきます。

 

試薬の量が行き過ぎると上層が濃くなります。

 

※ カチオンソープの場合はこの状態とは逆(最初が上層が濃く、中和の量を超えると下層が濃くなる)になります。

 

⑤ 加えた試薬の量にソープ濃度係数をかけてソープ濃度を求めます。

 

ソープ濃度%=(加えた試薬の量÷自店使用溶剤量) × ソープ濃度係数

 

例) (加えた試薬の量 10ml ÷ 自店使用溶剤量 5ml) × ソープ濃度係数 0.625 = 1.25%

※ ソープメーカーによっては検量線で求める場合もあります。その際は加えた量のみで求めます。

 

 

ソープ濃度はソープメーカーに直接自店使用溶剤を預けて測ってもらう事も出来ますが、その場合時間のロスが生じます。

 

カーボン(活性炭)を交換した直後はソープ濃度が激しく変化します。

 

静電気センサー等では数値に誤差が生じてきます。

 

ソープ濃度を自分で測定すれば、フィルターやカーボン(活性炭)への吸着量も把握出来ます。

 

 

ソープ濃度を適正に保つ事は、「 洗浄力を高める 」「 逆汚染を防ぐ 」「 静電気を防止する 」などクリーニング業者にとって品質維持に欠かせない重要な要素です。

 

適切なフィルター・カーボン(活性炭)交換やドライ溶剤の水分管理を合わせて行う事で、良いドライクリーニング品質をお客様にお届けしましょう。

 

 

 

参考資料 OCJr.技術部作成資料